大判例

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東京地方裁判所 平成9年(ワ)22820号 判決 1999年6月30日

東京都調布市若葉町一丁目三六番地の七

原告

黒沢建設株式会社

右代表者代表取締役

黒沢亮平

右訴訟代理人弁護士

小玉聰明

北郷美那子

野上邦五郎

杉本進介

冨永博之

右補佐人弁理士

石井良和

東京都青梅市今井三丁目三番地一二

被告

弘和産業株式会社

右代表者代表取締役

野口英雄

右訴訟代理人弁護士

中島和雄

右補佐人弁理士

渡辺隆

主文

一  原告の請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

第一  請求

一  被告は、別紙物件目録記載の緊張鋼材ユニットを製造販売してはならない。

二  被告は、原告に対し、金二一〇〇万円及びこれに対する平成一〇年二月一四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二  事案の概要

本件は、アースアンカー工法及び同工法に使用される緊張鋼材ユニットに関する特許権を有する原告が、業として緊張鋼材ユニットを製造販売する被告に対し、その製造販売に係る緊張鋼材ユニットが原告の特許権を侵害するとともに、被告が製造販売した同ユニットを使用して大基産業株式会社(以下「大基産業」という。)が行う定着工事は原告のアースアンカー工法に関する特許権を侵害するものであり、被告は右侵害に必要な資材の供給及び工法実施の指導を行うことにより大基産業とともに原告の特許権を侵害していると主張して、緊張鋼材ユニットの製造販売の差止め及び共同不法行為に基づく損害賠償を求めているものである。

一  争いのない事実

1  特許権

(一)(1) 原告は、左記の特許権(以下「本件特許権(一)」といい、その特許発明を「本件発明(一)」という。)を有している。

特許番号  第二一二八〇三六号

発明の名称 アースアンカー工法

出願日   昭和六二年六月二四日

公告日   平成五年五月一一日

登録日   平成九年四月一一日

特許請求の範囲

「掛止溝を放射状に備え、かつ支持体の上下部に設けた上部及び下部掛止板と、該下部掛止板の下面に突設されて緊張鋼材が掛け回される湾曲体とによりなる支圧具に、Uターンさせて巻き掛けた長さの異なる緊張鋼材を、前記支圧具が互いに異なる箇所に位置するようにアンカー孔内に固結材を注入し、該固結材の硬化後に前記緊張鋼材を所定の緊張力で順次緊張したことを特徴とするアースアンカー工法。」

(2) 構成要件

A 掛止溝を放射状に備え、且つ支持体の上下部に設けた上部及び下部掛止板と、該下部掛止板の下面に突設されて緊張鋼材が掛け回される湾曲体とによりなる支圧具に、

B Uターンさせて巻き掛けた長さの異なる緊張鋼材を、

C 前記支圧具が互いに異なる箇所に位置するようにアンカー孔内に挿入すると共に該アンカー孔内に固結材を注入し、

D 該固結材の硬化後に前記緊張鋼材を所定の緊張力で順次緊張したこと

E を特徴とするアースアンカー工法

(3) 作用効果

<1> 支圧具が互いに異なる箇所に位置するようにアンカー孔内に挿入すると共に該アンカー孔内に固結材を注入し、該固結材の硬化後に緊張鋼材を所定の緊張力で順次緊張するので、アンカー体と地盤との間に生じるせん断抵抗を、対象地盤の設計値に対応させてアンカー体全長にわたって平均化してかけることができるので、アンカー体のひび割れが防止でき、さらに軟弱地盤においてもアースアンカーの抜けを防止することができる。

<2> 支圧具の掛止溝に緊張鋼材を嵌合できるので、同径の支圧具を同芯状にして多数アンカー孔内に挿入することができる。

<3> 一つの緊張ジャッキで全ての緊張鋼材を緊張することができる。

(二)(1) 原告は左記の特許権(以下「本件特許権(二)」といい、その特許発明を「本件発明(二)」という。)を有している。

特許番号  第二六五六四五三号

発明の名称 アースアンカー工法に使用される

緊張鋼材ユニット

原出願日  昭和六二年六月二四日

分割出願日 平成六年一一月一八日

登録日   平成九年五月三〇日

特許請求の範囲

「所定の径及び長さのアンカー孔内に、固結材と共に挿入して緊張を図るものであって、周縁部に複数の掛止溝が設けられた上部及び下部掛止板を両端部寄りに有すると共に一方の端部に湾曲部を有する複数の支圧具と、長さの異なる複数本の緊張鋼材とからなり、前記複数の支圧具を同一方向に向け且つ所定の間隔をもって同軸上に配列させ、これら支圧具の湾曲部に巻き掛けUターンさせて緊張鋼材を配設し、これら緊張鋼材は長さの最も長いものが先端に位置する支圧具に巻き掛けられ順次長さが短くなるに従って次段の支圧具に巻き掛けるようにし且つ各掛止溝に嵌めて配設し、これら配設された緊張鋼材は、支圧具の周面上及び支圧具間の複数箇所において定着具で結束し全体を柱状に構成したことを特徴とするアースアンカー工法に使用される緊張鋼材ユニット。」

(2) 構成要件

A 所定の径及び長さのアンカー孔内に、固結材と共に挿入して緊張を図るものであって、

B 周縁部に複数の掛止溝が設けられた上部及び下部掛止板を両端部寄りに有すると共に一方の端部に湾曲部を有する複数の支圧具と

C 長さの異なる複数本の緊張鋼材とからなり、

D 前記複数の支圧具を同一方向に向け、且つ所定の間隔をもって同軸上に配列させ、

E これら支圧具の湾曲部に巻き掛けUターンさせて緊張鋼材を配設し、

F これら緊張鋼材は長さの最も長いものが先端に位置する支圧具に巻き掛けられ、順次長さが短くなるに従って次段の支圧具に巻き掛けるようにし、且つ各掛止溝に嵌めて配設し、

G これら配設された緊張鋼材は、支圧具の周面上及び支圧具間の複数箇所において定着具で結束し全体を柱状に構成したこと

H を特徴とするアースアンカー工法に使用される緊張鋼材ユニット

(3) 作用効果

<1> 全体が柱状であること及び支圧具が単体であることからして、取扱い及び運搬が容易であり、使用されるアンカー孔に対応して、支圧具の間隔と緊張鋼材の長さとを決定し、工場において全体をキチンと設計して組み立てることができ、施工の作業性が良好になるという優れた効果を奏する。

<2> また、施工現場での使用において、支圧具に対する緊張鋼材は夫々一本ずつであり、緊張鋼材を緊張する側に突出する本数も少なく、しかも一本ずつ緊張するだけであるので、緊張の順番を間違えることがなく、全て緊張鋼材に対して適正な緊張力をもって適正に緊張することができるという優れた効果を奏する。

2  大基産業の行為

(一) イ号方法

大基産業は、平成六年二月ころから、別紙方法目録記載のアースアンカー工法(以下「イ号方法」という。)を用いた定着工事を業として行っている。

(二) イ号方法の構成を分説すると、次のようになる。

a<1> 各耐荷体は、支持体の上部、中間部及び下部に、それぞれ上部掛止板、中間部掛止板及び下部掛止板が設けられ、下部掛止板の下面には、湾曲体が突設されている。

<2> 各掛止板の断面の包絡線はほぼ矩形であり、矩形の両短辺には各一個宛両長辺には各三個宛の断面半円弧状の掛止溝が設けられている。

<3> 各掛止溝は、掛止板の断面中心からそれぞれ点対称の位置に配されている。

<4> 各掛止溝のうち、短辺の両掛止溝及び長辺中央の両掛止溝は、円弧の開口方向が掛止板断面中心から放射線の方向と一致しているが、その余の掛止溝の円弧の開口方向は掛止板断面中心からの放射線の方向と一致していない。

b<1>各耐荷体の湾曲体にはアンボンドPC鋼より線又はPC鋼より線(以下「PC鋼より線等」という。)がUターンされて巻き掛けられている。

<2> 「PC鋼より線等」は、最も深い位置の耐荷体に巻き掛けられるものが最も長く、中間位置の耐荷体に巻き掛けられるものはその次に長く、最も浅い位置の耐荷体に巻き掛けられるものは最も短い。

c<1> 土中のアンカー孔内に三個の耐荷体を、それぞれ深さの異なる個所に挿入する。

<2> アンカー孔内に固結材を注入する。

d<1> 固結材の硬化後、ジャッキシリンダーの上に、第1、第2及び第3プーリングヘッドを下から上にこの順序で取り付ける。

<2> 第1、第2及び第3プーリングヘッドは、各「PC鋼より線等」の伸びの差だけずらして配置され、第1、第2プーリングヘッドの間、第2、第3プーリングヘッドの間には、それぞれ第1、第2チェラスト弾性体を介在させる。

<3> 第1、第2及び第3プーリングヘッドに、それぞれ最も長い「PC鋼より線等」、次に長い「PC鋼より線等」、最も短い「PC鋼より線等」をいずれもくさびで固定する。

<4> ついでジャッキを作用させてシリンダーを持ち上げることにより、各「PC鋼より線等」を緊張する。

(ⅰ)ジャッキを作用させると、第1プーリングヘッドはジャッキシリンダーの持ち上がり幅と同一幅で持ち上がるが、同時に弾性変形する第1チェラスト弾性体の反発力により第2プーリングヘッドがそれより小幅持ち上がり、また同時に弾性変形する第2チェラスト弾性体の反発力により、第3プーリングヘッドがそれよりさらに小幅持ち上がる。

(ⅱ)さらにジャッキを持ち上げ、第1チェラスト弾性体が変形して、第1プーリングヘッドと第2プーリングヘッドが接触した後は、第2プーリングヘッドもジャッキシリンダー及び第1プーリングヘッドと同一幅で持ち上がることになるが、同時に、さらに弾性変形する第2チェラスト弾性体の反発力により第3プーリングヘッドがそれより小幅持ち上がる。

(ⅲ)さらにジャッキを持ち上げ、第2チェラスト弾性体が変形して、第2プーリングヘッドと第3プーリングヘッドが接触した後は、第3プーリングヘッドもジャッキ及び第1、第2プーリングヘッドの持ち上がり幅と同一幅で持ち上がる。

e 右の構成を特徴とするアースアンカー工法

(三) 構成要件の充足

イ号方法の構成b、cは、それぞれ本件発明(一)の構成要件B、Cを充足する。

3  被告の行為

(一) ロ号物件の製造販売

(1) ロ号物件

被告は、別紙物件目録記載の緊張鋼材ユニット(以下「ロ号物件」という。)を業として製造販売している(ただし、同目録中「1 構造の説明」の「及び対荷体間の複数の個所」との記載部分並びに第1図及び第2図中で耐荷体2の周面上以外の場所で定着具7によって結束されている点については、後記二5のとおり当事者間に争いがある。)。

(2) ロ号物件の構成を分説すると、次のようになる。

a アンカー孔内に固結材と共に挿入して緊張を図るものであって、

b 周縁部に複数の掛止溝が設けられた上部及び下部掛止板を両端部よりに有すると共に、一方の端部に湾曲部を有する複数の耐荷体と、

c 長さの異なる複数本の「PC鋼より線等」とからなり、

d 前記複数の耐荷体を同一方向に向け且つ所定の間隔をもって同軸上に配列させ、

e これらの耐荷体の湾曲部に巻き掛けUターンさせて「PC鋼より線等」を配設し、

f これら「PC鋼より線等」は長さの最も長いものが先端に位置する耐荷体に巻き掛けられ、順次長さが短くなるに従って次段の耐荷体に巻き掛けるようにし、且つ「PC鋼より線等」が巻き掛けられた耐荷体の掛止板の掛止溝に嵌めて配設し、

g これら配設された「PC鋼より線等」は耐荷体の周面上(及び耐荷体間の複数の個所)において定着具で結束し全体を柱状に構成したこと(ただし、右括弧内については、後記二5のとおり当事者間に争いがある。)

h を特徴とするアースアンカー工法用に使用される緊張鋼材ユニット

(3) 構成要件の充足

ロ号物件の構成aないしe及びhは、それぞれ本件発明(二)の構成要件AないしE及びHを充足する。

(二) イ号方法に必要な資材供給と実施指導

被告は、ロ号物件を製造販売することにより大基産業によるイ号方法の実施に必要な資材を供給するとともに、その実施の指導を行ってきたものである。

二  争点

1  イ号方法が本件発明(一)の構成要件Aを充足するかどうか

(原告の主張)

本件発明(一)の構成要件A「掛止溝を放射状に備え」というのは、当初明細書における「掛止溝を対向状に設ける」という記載をこれと同趣旨のものとして補正したものであり、本件発明(一)の実施例に「対向状」の文言が存在することも考え併せると、「掛止溝が掛止板の中心から『対向状』に設けられている」という意味に解すべきである。

そうすると、イ号方法の「掛止溝が掛止板の断面中心からそれぞれ点対称の位置にある」という構成(構成a<3>)は、本件発明(一)の「掛止溝を放射状に備え」という構成要件を充足しているということができる。そして、イ号方法においては、支持体の上下部に設けられた掛止板、すなわち上部掛止板及び下部掛止板と、その下部掛止板の下面に突出した鋼線が掛け回される湾曲体とからなる耐荷体を用いる(構成a<1>)から、本件発明(一)の支圧具に相当するものを用いるということができる。

したがって、イ号方法は本件発明(一)の構成要件Aを充足する。

(被告の主張)

本件発明(一)の当初明細書における特許請求の範囲には、掛止溝の配置態様はもとより、耐荷体に掛止溝を設ける構造そのものについても何ら記載がなく、発明の詳細な説明中に「掛止板5、5'の周縁には掛止溝8が対向状に設けられ」との記載が見られるものの、「放射状に備え」との表現は見当たらない。平成四年一月二二日付け手続補正書によって「掛止溝を放射状に備え」という文言が加入されたが、「中央から四方に放出した形状のもの」という意味の「放射状」は、「中心から点対称の位置」と同義の「対向状」よりも広い意味を有するから、この補正が許容されるためには、「放射状」の意味を、当初図面第4図ないし第7図(本判決末尾に添付した特許公報の第4図ないし第7図)に見られるような「中心からほぼ等距離の複数の半径線を想定し、その半径線の外周を結ぶ包路線は円であり、掛止溝は半径方向を向いているもの」に限ると解さざるを得ない。

また、仮に右のように解することができないとしても、「掛止溝を放射状に備え」というからには、すべての掛止溝の向きが放射状になっていなければならないというべきである。

イ号方法の掛止溝は、断面包路線が矩形の掛止板の周囲に設けられており、また、掛止板の両長辺両端に位置する掛止溝の溝の向きは中心点から放射線の方向と一致していないから、イ号方法は本件発明(一)の構成要件Aを充足しない。

2  イ号方法が本件発明(一)の構成要件Dを充足するかどうか

(原告の主張)

イ号方法では、固結材の硬化後、各「PC鋼より線等」をその伸びの差に応じて各プーリングヘッドで固定して、その間にチェラスト弾性体を介在させ、各「PC鋼より線等」をジャッキで引く。ジャッキで引いたときに、最初に一番長い「PC鋼より線等」がジャッキで引っ張られ、第1チェラスト弾性体が圧縮変形して第1プーリングヘッドと第2プーリングヘッドが接触すると、二番目の「PC鋼より線等」も一番目の「PC鋼より線等」とともにジャッキで直接引かれる。そして、第2チェラスト弾性体が圧縮変形して第2プーリングヘッドと第3プーリングヘッドが接触すると、三番目の「PC鋼より線等」もジャッキで引かれる(構成d)。

したがって、イ号方法において、本件発明(一)の順次緊張が行われているということができる。

イ号方法においてジャッキで引っ張ると一番長い「PC鋼より線等」が引かれるだけでなく、チェラスト弾性体の反発力により、二番目、三番目の「PC鋼より線等」も伸びるが、チェラスト弾性体の反発力は、ジャッキで直接引っ張るのに比べると問題にならないくらい小さい力であるから、それによる伸びは、非常に小さい。このようなチェラスト弾性体の反発力による伸びは、本件発明(一)の順次緊張かどうかを認定するに当たって考慮すべきでないが、考慮するとしても、本件発明(一)の構成要件Dは「所定の緊張力で順次緊張する」というものであり、ある程度以上の引張力を基準として順次緊張するというものであるから、右のようなジャッキで直接引かれる以外の非常に小さい緊張力が「PC鋼より線等」にかかることがあるとしても、イ号方法は所定の緊張力で順次緊張させているものということができる。

なお、後記のとおり被告が主張するたるみの除去は、鋼材が緊張される前の問題であって、鋼材の緊張方法に関する発明である本件発明(一)の充足性を考える場合には問題にならない。また、本件発明(一)を実施した場合に、たるみを除去しつつ予め計算された通りの伸びの差を生じさせることは可能であるから、被告が主張するような作用効果の違いはない。

よって、イ号方法は、本件発明(一)の構成要件Dを充足する。

(被告の主張)

イ号方法は、最初から全ての「PC鋼より線等」を同時にジャッキで引っ張るから、同時緊張であり、二番目、三番目の「PC鋼より線等」もジャッキの力で直接引かれている。チェラスト弾性体の作用によって荷重のかかり方が最も長い「PC鋼より線等」から順に大、中、小となるにすぎない。

また、イ号方法においては、一番目の「PC鋼より線等」に荷重がかけられると同時に二番目、三番目の「PC鋼より線等」にも伸びが生ずるだけの荷重がかけられているのであるから、この点からしても同時緊張というほかない。

さらに、イ号方法は、三本の長さの異なる「PC鋼より線等」を同時にジャッキで引っ張るので、まず三本同時にたるみが除去され、その後、チェラスト弾性体によって、予め計算された通りの伸びの差が生じるので、三本の「PC鋼より線等」に予め計算された通りの設計荷重をかけることができる。これに対し、本件発明(一)では、三本の鋼材を順次緊張するので、たるみの除去は、それぞれの鋼材を引っ張ったときにされることになるが、それでは、予め計算された通りの伸びの差が生じるとは限らないから、三本の鋼材に予め計算された通りの設計荷重をかけることができない。このような作用効果の違いは、本件発明(一)が順次緊張であるのに対し、イ号方法が同時緊張であることに由来する。

したがって、イ号方法は本件発明(一)の構成要件Dを充足しない。

3  ロ号物件が本件発明(二)の構成要件Fを充足するかどうか

(原告の主張)

ロ号物件においては、「PC鋼より線等」は長さの最も長いものが先端に位置する耐荷体に巻き掛けられ、順次長さが短くなるに従って次段の耐荷体に巻き掛けるようにされている(構成f)から、本件発明(二)の「これら緊張鋼材は長さの最も長いものが先端に位置する支圧具に巻き掛けられ順次長さが短くなるに従って次段の支圧具に巻き掛けるようにし」との構成要件を充足する。そして、本件発明(二)では、この文言に続いて「各掛止溝に嵌めて配設し」いう要件が記載されているが、ここでいう「各掛止溝」は、右文言に続くものであることからすると、緊張鋼材が巻き掛けられている支圧具の掛止板の掛止溝を意味しているというべきである。ロ号物件においては、「PC鋼より線等」が巻き掛けられている耐荷体の掛止板の掛止溝に「PC鋼より線等」が嵌めて配設されている(構成f)から、本件発明(二)の「各掛止溝に嵌めて配設し」いう構成要件を充足する。

したがって、ロ号物件は本件発明(二)の構成要件Fを充足する。

なお、本件明細書には「掛止溝」について後記の被告が主張するとおり

「そして、・・・収納される。」と記載されているが、この記載によると、緊張鋼材が巻き掛けられた支圧具より浅い位置の支圧具の掛止溝には緊張鋼材が「収められ」又は「収納されて」もよいことが記載されているから、この記載は、構成要件Fの「各掛止溝」についての記載ではなく、この記載から、構成要件Fの「各掛止溝」の意味を解釈することはできない。

(被告の主張)

本件発明(二)の構成要件Fの「各掛止溝に嵌めて配設し」にいう「各掛止溝」について、本件明細書には、「そして、第1支圧具20aにUターン状に掛け回された第1緊張鋼材20は第2支圧具30a及び第3支圧具40aの掛止溝8に収められ、第2支圧具30aにUターン状に掛け回された第2緊張材30は第3支圧具40aの掛止溝8に嵌合または収納される。」と記載されているから、右の「各掛止溝」とは、緊張鋼材が巻き掛けられた当の耐荷体の掛止溝を指しているのではなく、それより浅い位置に順次設置される他の耐荷体の掛止溝を指している。そして、本件発明(二)における「各掛止溝」は、「緊張鋼材の断面形状よりも大きめに形成されており、緊張鋼材が嵌まって収容される大きさに形成される」ものである。そうすると、本件発明(二)の構成要件Fの「各掛止溝に嵌めて配設する」とは、深い位置の耐荷体に巻き掛けられた鋼材が、それより浅い位置に順次設置される他の耐荷体の大きめに形成された各掛止溝の中にすっぽりと嵌まるように配設されるという意味である。

ロ号物件の耐荷体に形成された各溝と「PC鋼より線等」との関わり具合は、物件目録第3図のとおりである。各溝のうち、断面矩形の耐荷体の短辺部分に形成された溝は、「PC鋼より線等」が巻き掛けられた当の耐荷体の掛止溝であり、長辺部分に形成された溝は、「PC鋼より線等」が、それが巻き掛けられた耐荷体より浅い位置の耐荷体を通過する際に経由する溝であるところ、長辺部分に形成された溝は、「PC鋼より線等」の断面形状よりも小さめに形成されており、「PC鋼より線等」が嵌まって収容される大きさには形成されていない。

したがって、ロ号物件は、本件発明(二)の構成要件Fを充足しない。

4  ロ号物件が本件発明(二)の構成要件Gを充足するかどうか

(原告の主張)

ロ号物件においては、配設された「PC鋼より線等」は、耐荷体の周面上のみならず、耐荷体間においても、定着具で結束されて、全体を柱状に構成されている(構成g)から、本件発明(二)の構成要件Gを充足する。

(被告の主張)

ロ号物件においては、各耐荷体の周面上において定着具で結束しているものの、各耐荷体間では結束していないから、本件発明(二)の構成要件Gを充足しない。

5  原告の損害

(原告の主張)

大基産業は、平成六年二月ころから、イ号方法によるアースアンカー定着工事を施工し、平成九年七月までに工事件数一五件、合計アンカー施工本数七〇〇本の定着工事を実施した。アースアンカー定着工事代金は、アンカー一本当たり二〇万円であるから、工事代金総額は一億四〇〇〇万円となる。

工事の利益率は一五パーセントを下らないから、被告と大基産業の共同不法行為によって原告が被った損害として推定される額は、二一〇〇万円である。

(被告の主張)

原告の主張を争う。

第三  争点に対する判断

一  争点2について

1(一)  証拠(甲二、三)によると、本件発明(一)の明細書(平成六年一一月一八日付手続補正書によって訂正されたもの。以下「本件明細書」という。)における「発明の詳細な説明」には、以下の各項に以下の各記載が存することが認められる(括弧内の表示は、右手続補正書とともに本判決末尾に添付した右補正書による訂正前の特許公報中の位置を表わす。)。

(1) 従来の技術

「従来のアースアンカー工法は、第8図に示す如く、アースアンカー孔内Aに先端部がシースから突出した緊張鋼材C'を挿入するとともに固結材B'を注入し、該固結材B'の養生後に緊張鋼材C'を所定の緊張力で緊張して定着するものであった。

このアースアンカー工法はアンカー体抵抗(引抜剪断抵抗)の設計値をaに示すようなアンカー体全長に対して平均化した値で計算し、その設計値に基づいて緊張鋼材C'に所定の緊張力を付与して定着していた。」(1欄一九行目から2欄三行目)

(2) 発明が解決しようとする問題点

「本発明の目的は、アースアンカーを定着する際、アンカー体に緊張力が加えられたときに発生する地盤との剪断抵抗が、対象地盤のアンカー体抵抗の設計値に対応してアンカー体全長にわたって平均化してかかるようにすることである。」(2欄一四行目から一九行目)

(3) 作用

「而して上記構成によると、本発明のアースアンカー工法は、アンカー体に長さの夫々異なる3本の緊張鋼材を取り付ける場合、最初に一番伸びの大きい最長の第1緊張鋼材を、次に長い第2緊張鋼材との伸びの差分だけ緊張する。

そして、この第1緊張鋼材が第2緊張鋼材との伸びの差分だけ緊張された時点で、第2緊張鋼材の緊張を開始して第1緊張鋼材と共に緊張する。

次に、この第2緊張鋼材が最短の第3緊張鋼材との伸びの差分だけ緊張された時点で第3緊張鋼材の緊張を開始して前記第1、第2緊張鋼材と共に緊張し、これらの緊張鋼材を所定の緊張力に達するまで緊張することにより、アンカー体と地盤との間に生じるせん断抵抗を、対象地盤のアンカー体抵抗の設計値に対応させてアンカー体全長にわたって平均化してかけることができる。」(3欄六行目から二一行目)

(4) 実施例

<1>「本発明のアースアンカー工法は、所定の径及び長さのアンカー孔Aに、先端側に支圧具2を備えた長さの異なる緊張鋼材1が夫々支圧具2の位置をずらした状態で挿入されると共に、前記アンカー孔A内に固結材Bが注入され、該固結材Bの養生後これら緊張鋼材1を長い順から所定の緊張力で緊張する。」(3欄二五行目から三一行目)

<2>「最初に一番伸びの大きい第1緊張鋼材20を、ジャッキの引張用ヘッドで挟着して第2緊張鋼材30との伸びの差分だけ緊張する。この際、第2及び第3緊張鋼材30、40は引張用ヘッドで挟着されていない状態である。

そして、この第1緊張鋼材20が第2緊張鋼材30との伸びの差分だけ緊張されて、第2緊張鋼材30との伸びの差がなくなった時点で、第2緊張鋼材30を前記引張用ヘッドで挟着して緊張を開始し、前記第1緊張鋼材20と共に緊張する。

また、上記第1緊張鋼材20と第2緊張鋼材30の伸びの差がなくなった時点はジャッキの緊張ロッドのストロークにより確認するものとする。

すなわち、第1緊張鋼材20を緊張して、予め設定した第2緊張鋼材30との伸びの差分、緊張ロッドのストロークが伸びた時点で第2緊張鋼材30との伸びの差がなくなったことを確認するものである。

また、これは予め設定された所定の緊張荷重によっても確認することができる。

次に、この第2緊張鋼材30が第3緊張鋼材40との伸びの差分だけ緊張されて、第3緊張鋼材40との伸びの差がなくなった時点で、第3緊張鋼材40を前記引張用ヘッドで挟着して緊張を開始するとともに、これらの緊張鋼材20、30、40を所定の緊張力に達するまで緊張した後、アンカーヘッドで定着するものである。

なお、第2緊張鋼材30と第3緊張鋼材40との伸びの差がなくなった時点は前記と同様の方法により確認するものとする。

そして、これら第1、第2、第3緊張鋼材20、30、40が緊張定着された後に、これらを同時に所定の緊張力により緊張することにより、これらの緊張鋼材20、30、40の合計緊張力を確認することができる。」(4欄四〇行目から5欄三〇行目)

(二)  右(一)認定の事実に基づき、本件発明(一)の構成要件D「該固結材の硬化後に前記緊張鋼材を所定の緊張力で順次緊張したこと」の意義について判断する。

(1) 「順次」の文字どおりの意味は、「次々に順序どおりにすること、順ぐり、順々」(広辞苑第四版一二四六頁)ということであり、この事実に右(一)(3)(4)で認定した本件明細書の作用及び実施例の記載を総合すると、右「順次緊張」とは、「第1緊張鋼材を、次に長い第2緊張鋼材との伸びの差分だけ緊張し、この第1緊張鋼材が第2緊張鋼材との伸びの差分だけ緊張された時点で、第2緊張鋼材の緊張を開始して第1緊張鋼材と共に緊張し、この第2緊張鋼材が最短の第3緊張鋼材との伸びの差分だけ緊張された時点で第3緊張鋼材の緊張を開始して前記第1、第2緊張鋼材と共に緊張すること」を意味するというべきである。

また、右(一)(4)で認定した本件明細書の実施例では、右の各緊張鋼材の緊張はジャッキにより直接引かれることによって生じているが、本件発明の特許請求の範囲や右(一)(3)で認定した本件明細書の作用の記載には、右の各緊張鋼材の緊張がジャッキにより直接引かれることによって生じるものでなければならない旨の記載はなく、他にそのように解しなければならない事情も認められないから、右の各緊張鋼材の緊張は、ジャッキにより直接引かれることによって生じるものに限られないというべきであって、これに反する原告の主張は採用できない。

(2) 右(一)(3)で認定した本件明細書の作用の記載において、「所定の緊張力」は、地盤との剪断抵抗がアンカー体全体に平均化して与えられるために必要な緊張鋼材に付与されるべき最終的な緊張力を意味するものと認められ、右(一)(4)<2>で認定した本件明細書の実施例の記載における「所定の緊張力」の意味も同じであると認められる。また、右(一)(1)で認定した本件明細書の従来の技術の記載における「所定の緊張力」も同様の最終的な緊張力を意味するものと認められる。

本件明細書(甲二、三)には、右(一)(3)(4)で認定したとおり、緊張鋼材を文字どおり順々に緊張する場合についての記載があるのみで、第1緊張鋼材が第2緊張鋼材との伸びの差分だけ緊張される前に、第2緊張鋼材と第3緊張鋼材も緊張され、しかもそのときの荷重が一定の大きさ以下である場合についての記載は全くない。

そうすると、本件発明(一)の構成要件Dの「所定の緊張力」は、右のような最終的な緊張力を意味するものと解するのが相当であり、本件発明(一)の構成要件Dは、原告が主張するような「ある程度以上の引張力を基準として順次緊張する」という意味ではなく、右のような最終的な緊張力に達するまで順次緊張するとの意味に解すべきである。右(一)(4)<1>で認定した本件明細書の実施例の記載における「所定の緊張力」の意味も同じであると認められる。

(三)  前記争いのない事実に証拠(乙二、四)と弁論の全趣旨を総合すると、以下の事実が認められる。

(1) イ号方法においては、次のようにして、「PC鋼より線等」の緊張が行われる。

<1> 固結材の硬化後、ジャッキシリンダーの上に、第1、第2及び第3プーリングヘッドを下から上にこの順序で取り付ける。

第1、第2及び第3プーリングヘッドは、各「PC鋼より線等」の伸びの差だけずらして配置され、第1、第2プーリングヘッドの間、第2、第3プーリングヘッドの間には、それぞれ第1、第2チェラスト弾性体を介在させる。

第1、第2及び第3プーリングヘッドに、それぞれ最も長い「PC鋼より線等」、次に長い「PC鋼より線等」、最も短い「PC鋼より線等」をいずれもくさびで固定する。

<2> ジャッキを作用させてシリンダーを持ち上げることにより、各「PC鋼より線等」を緊張する。

(ⅰ)ジャッキを作用させると、第1プーリングヘッドはジャッキシリンダーの持ち上がり幅と同一幅で持ち上がるが、同時に弾性変形する第1チェラスト弾性体の反発力により第2プーリングヘッドがそれより小幅持ち上がり、また同時に弾性変形する第2チェラスト弾性体の反発力により、第3プーリングヘッドがそれよりさらに小幅持ち上がる。

そのため、ジャッキを作用させると、第1プーリングヘッドに固定された最も長い「PC鋼より線等」のみならず、第2プーリングヘッドに固定された次に長い「PC鋼より線等」と第3プーリングヘッドに固定された最も短い「PC鋼より線等」も緊張されることになり、最も長い「PC鋼より線等」が緊張をはじめてから、右 「PC鋼より線等」に対して付与される荷重が増加するにしたがって、他の「PC鋼より線等」に対して付与される荷重もそれぞれ増加し続ける。

(ⅱ)さらにジャッキを持ち上げ、第1チェラスト弾性体が変形して、第1プーリングヘッドと第2プーリングヘッドが接触した後は、第2プーリングヘッドもジャッキシリンダー及び第1プーリングヘッドと同一幅で持ち上がることになるが、同時に、さらに弾性変形する第2チェラスト弾性体の反発力により第3プーリングヘッドがそれより小幅持ち上がる。

そのため、最も長い「PC鋼より線等」と次に長い「PC鋼より線等」のみならず、最も短い「PC鋼より線等」も緊張されることになり、最も長い「PC鋼より線等」と次に長い「PC鋼より線等」に対して付与される荷重が増加するにしたがって、最も短い「PC鋼より線等」に対して付与される荷重も増加し続ける。

(ⅲ)さらにジャッキを持ち上げ、第2チェラスト弾性体が変形して、第2プーリングヘッドと第3プーリングヘッドが接触した後は、第3プーリングヘッドもジャッキ及び第1、第2プーリングヘッドの持ち上がり幅と同一幅で持ち上がる。

(2) イ号方法において各「PC鋼より線等」にかかる荷重の大きさは、次のとおりである。

<1>  イ号方法において、最も深い位置にある耐荷体(以下「第1耐荷体」という。)に対して二・〇八トンの荷重がかけられるまで、第1チェラスト弾性体の変形は完全には終了しないという条件において、第1耐荷体に対して右の荷重をかけた場合、次に深い位置にある耐荷体(以下「第2耐荷体」という。)に対しては〇・二六トンの荷重がかかり、最も浅い位置にある耐荷体(以下「第3耐荷体」という。)に対しては〇・〇三トンの荷重がかかる状態となる。

したがって、最も長い「PC鋼より線等」が緊張をはじめてから、右の状態に至るまで、次に長い「PC鋼より線等」に対しては最も長い「PC鋼より線等」の約一二・五パーセント、最も短い「PC鋼より線等」に対しては最も長い「PC鋼より線等」の約一・四パーセントの荷重がかかっていることになる。

<2>  また、右と同一条件の場合、第2耐荷体に対して二・二五トンの荷重がかけられるまで第2チェラスト弾性体の変形は終了せず、右変形終了時点の各耐荷体に対する荷重は、第1耐荷体三・九四トン、第2耐荷体二・二五トン、第3耐荷体〇・二九トンである。

したがって、第2チェラスト弾性体の変形が終了する時点では、次に長い「PC鋼より線等」には、最も長い「PC鋼より線等」の約五七・一パーセント、最も短い「PC鋼より線等」には、最も長い「PC鋼より線等」の約七・四パーセントの荷重がかかっていることになる。

(四) 右(三)で認定した事実によると、イ号方法においては、ジャッキの引張力によって最も長い「PC鋼より線等」に対して緊張力が加わり初めてから第1チェラスト弾性体の変形が終了するまでの間に、次に長い「PC鋼より線等」及び最も短い「PC鋼より線等」に対しても荷重がかけられて緊張されており、その大きさ、特に次に長い「PC鋼より線等」にかけられる荷重の大きさは決して無視することができないこと、更に第2チェラスト弾性体の変形が終了するまでの間においても、最も短い「PC鋼より線等」に対して荷重がかけられて緊張されていること、その大きさも決して無視することができないこと、以上の事実が認められる。

そうすると、イ号方法は、「第1緊張鋼材を、次に長い第2緊張鋼材との伸びの差分だけ緊張し、この第1緊張鋼材が第2緊張鋼材との伸びの差分だけ緊張された時点で、第2緊張鋼材の緊張を開始して第1緊張鋼材と共に緊張し、この第2緊張鋼材が最短の第3緊張鋼材との伸びの差分だけ緊張された時点で第3緊張鋼材の緊張を開始して前記第1、第2緊張鋼材と共に緊張する」ものでないことは明らかであるから、本件発明(一)の構成要件Dの「順次緊張」を充足するものではないというべきである。

(五) 原告は、チェラスト弾性体の反発力による伸びは、本件発明(一)の順次緊張かどうかを認定するに当たって考慮すベきでないが、考慮するとしても、本件発明(一)の構成要件Dは「所定の緊張力で順次緊張する」というものであり、ある程度以上の引張力を基準として順次緊張するというものであるから、ジャッキで直接引かれる以外の非常に小さい緊張力が「PC鋼より線等」にかかることがあるとしても、イ号方法は所定の緊張力で順次緊張させているものということができると主張するが、右(二)のとおり、本件発明(一)の順次緊張における各緊張鋼材の緊張は、ジャッキにより直接引かれることによって生じるものに限られないというべきであるし、「所定の緊張力」は、ある程度以上の引張力を基準として緊張するという意味ではないから、原告の右主張を採用することはできない。

2 以上により、イ号方法は本件発明(一)の構成要件Dを充足しないから、大基産業によるイ号方法の実施が本件特許権(一)を侵害するものとは認められない。

よって、被告による大基産業に対するイ号方法の実施に必要な資材供給及び指導が共同不法行為を構成する余地はないから、原告の損害賠償請求は理由がない。

二 争点5について

1  前記争いのない事実に証拠(甲七、乙三、一一)を総合すると、以下の事実が認められる。

(一) 平成九年度版のKJS協会発行の「KJS除去アンカー工法」と題するパンフレットには、ロ号物件の耐荷体の周面上からわずかに外れた位置で定着具によって結束されている写真が一枚存在するが、同パンフレットの他の写真においては、耐荷体の周面上のみにおいて結束している写真が掲載されている。

(二) 平成一〇年七月に作成されたKJS協会発行の「KJS除去アンカー工法」と題するパンフレットでは、ロ号物件の耐荷体に配設された「PC鋼より線等」は、耐荷体の周面上でのみ定着具によって結束されている。

(三) ロ号物件においては、耐荷体間を定着具で結束すると、耐荷体の「PC鋼より線等」を巻き掛ける側とは反対側の底部が固結材と断絶してしまい、耐力が弱くなる。

2  右1(一)で認定した事実によると、ロ号物件において、配設された「PC鋼より線等」を耐荷体間で結束した写真がパンフレットに掲載されたことがあったと認められるものの、その他に、ロ号物件において、配設された「PC鋼より線等」が耐荷体間で結束されていたことを認めるに足りる証拠はなく、右1(二)(三)で認定した事実をも総合すると、いまだ、被告が、配設された「PC鋼より線等」が耐荷体間で結束されているロ号物件を製造販売していたとまで認めることはできない。

3  そうすると、被告が製造販売していたロ号物件が本件発明(二)の構成要件Gを充足するとは認められないから、ロ号物件の製造販売が本件特許権(二)を侵害するものと認めることはできない。

三 以上のとおりであるから、原告の請求はいずれも理由がない。

(裁判長裁判官 森義之 裁判官 榎戸道也 裁判官 杜下弘記)

(別紙)

物件目録

左の「構造の説明」及び「図面」記載の「KJS除去アンカー」と称する緊張鋼材ユニット

1 構造の説明

アンカー孔内に固結材と共に挿入して緊張を図るものであって、周縁部に複数の掛止溝が設けられた上部及び下部掛止板を両端部よりに有すると共に、一方の端部に湾曲部を有する複数の耐荷体と、長さの異なる複数本の「PC鋼より線等」とからなり、前記複数の耐荷体を同一方向に向け且つ所定の間隔をもって同軸上に配列させ、これらの耐荷体の湾曲部に巻き掛けUターンさせて「PC鋼より線等」を配設し、これら「PC鋼より線等」は長さの最も長いものが先端に位置する耐荷体に巻き掛けられ、順次長さが短くなるに従って次段の耐荷体に巻き掛けるようにし、且つ「PC鋼より線等」が巻き掛けられた耐荷体の掛止板の掛止溝に嵌めて配設し、これら配設された「PC鋼より線等」は耐荷体の周面上(及び耐荷体間の複数の個所)において定着具で結束し全体を柱状に構成したことを特徴とするアースアンカー工法用に使用される緊張鋼材ユニット

2 図面

(1) 図面の説明

第1図 本件ユニットの全体図

第2図 先端耐荷体にアンボンドPC鋼より線を巻き掛けた図

第3図 掛止板のアンボンドPC鋼より線が掛けられた断面図

(2) 図面の番号の説明

1 本体ユニット

2 耐荷体

3 支持体

4 上部掛止板

5 下部掛止板

6 湾曲体

7 定着具

20 第1アンボンドPC鋼より線

21 第1耐荷体

30 第2アンボンドPC鋼より線

31 第2耐荷体

40 第3アンボンドPC鋼より線

41 第3耐荷体

第1図

<省略>

第2図

<省略>

第3図

<省略>

(別紙)

方法目録

左の「構造の説明」、「緊張方法の説明」及び「図面」記載のアースアンカー定着工法(KJS除去アンカー工法)

1 構造の説明

(1) 各耐荷体は、支持体の上部、中間部及び下部に、それぞれ上部掛止板、中間部掛止板及び下部掛止板が設けられ、下部掛止板の下面には、湾曲対が突設されている。

(2) 各掛止板の断面の包絡線はほぼ矩形であり、矩形の両短辺には各一個宛両長辺には各三個宛の断面半円弧状の掛止溝が設けられている。

(3) 各掛止溝は、掛止板の断面中心からそれぞれ点対称の位置に配されている。

(4) 各掛止溝のうち、短辺の両掛止溝及び長辺中央の両掛止溝は、円弧の開口方向が掛止板断面中心から放射線の方向と一致しているが、その余の掛止溝の円弧の開口方向は掛止板断面中心からの放射線の方向と一致していない。

(5) 各耐荷体の湾曲体にはアンボンドPC鋼より線又はPC鋼より線(以下「PC鋼より線等」という。)がUターンされて巻き掛けられている、

(6) 「PC鋼より線等」は、最も深い位置の耐荷体に巻き掛けられるものが最も長く、中間位置の耐荷体に巻き掛けられるものはその次に長く、最も浅い位置の耐荷体に巻き掛けられるものは最も短い。

2 緊張方法の説明

(1) 土中のアンカー孔内に三個の耐荷体を、それぞれ深さの異なる個所に挿入する。

(2) アンカー孔内に固結材を注入する。

(3) 固結材の硬化後、ジャッキシリンダーの上に、第1、第2及び第3プーリングヘッドを下から上にこの順序で取り付ける。

(4) 第1、第2及び第3プーリングヘッドは、各「PC鋼より線等」の伸びの差だけずらして配置され、第1、第2プーリングヘッドの間、第2、第3プーリングヘッドの間には、それぞれ第1、第2チェラスト弾性体を介在させる。

(5) 第1、第2及び第3プーリングヘッドに、それぞれ最も長い「PC鋼より線等」、次に長い「PC鋼より線等」、最も短い「PC鋼より線等」をいずれもくさびで固定する。

(6) 次いでジャッキを作用させてシリンダーを持ち上げることにより、各「PC鋼より線等」を緊張する。

(ⅰ) ジャッキを作用させると、第1プーリングヘッドはジャッキシリンダーの持ち上がり幅と同一幅で持ち上がるが、同時に弾性変形する第1チェラスト弾性体の反発力により第2プーリングヘッドがそれより小幅持ち上がり、また同時に弾性変形する第2チェラスト弾性体の反発力により、第3プーリングヘッドがそれよりさらに小幅持ち上がる。

(ⅱ) さらにジャッキを持ち上げ、第1チェラスト弾性体が変形して、第1プーリングヘッドと第2プーリングヘッドが接触した後は、第2プーリングヘッドもジャッキシリンダー及び第1プーリングヘッドと同一幅で持ち上がることになるが、同時に、さらに弾性変形する第2チェラスト弾性体の反発力により第3プーリングヘッドがそれより小幅持ち上がる。

(ⅲ) さらにジャッキを持ち上げ、第2チェラスト弾性体が変形して、第2プーリングヘッドと第3プーリングヘッドが接触した後は、第3プーリングヘッドもジャッキ及び第1、第2プーリングヘッドの持ち上がり幅と同一幅で持ち上がる。

3 図面

(1) 図面の説明

第1図 本件アースアンカー定着工法を実施しているところの断面図

第2図 先端の耐荷体にアンボンドPC鋼より線が巻き掛けられている図

第3図 掛止板にアンボンドPC鋼より線が掛けられている断面図

第4図 ディファレンシャルプーリングヘッドの断面図

(2) 図面の番号の説明

1 アンボンドPC鋼より線

2 耐荷体

3 支持体

4 上部掛止板

5 下部掛止板

6 湾曲体

7 第1プーリングヘッド

8 第2プーリングヘッド

9 第3プーリングヘッド

10 第1チェラスト弾性体

11 第2チェラスト弾性体

12 最も長いアンボンドPC鋼より線

13 次に長いアンボンドPC鋼より線

14 最も短いアンボンドPC鋼より線

第1図

<省略>

第2図

<省略>

第3図

<省略>

第4図

<省略>

<10>日本国特許庁(JP)

<11>特許出願公告

<12>特許公報(B2)

平5-30932

<51>Int.Cl.

E02D 5/80

識別記号

庁内整理番号

7196-2D

<24><44>公告 平成5年(1993)5月11日

発明の数 1 (全6頁)

<54>発明の名称 アースアンカー工法

<21>特願 昭62-155514 <56>公開 昭64-1824

<22>出願 昭62(1987)6月24日 <43>昭64(1989)1月6日

<72>発明者 黒沢充平 東京都調布市若葉町1-36-7黒沢建設株式会社内

<71>出願人 黒沢建設株式会杜 東京都調布市若葉町1-36-7

<74>代理人 弁理士 佐々木功

審査官 藤井俊二

<56>参考文献 特開 昭59-217831(JP、A) 特開 昭58-76613(JP、A)

特公 昭57-13685(JP、B2)

<57>特許請求の範囲

1 掛止溝を放射状に備え、かつ支持体の上下部に設けた上部及び下部掛止板と、該下部掛止板の下面に突設されて緊張鋼材が掛け回される湾曲体とによりなる支圧具に、Uターンさせて巻き掛けた長さの異なる緊張鋼材を、前記支圧具が互いに異なる箇所に位置するようにアンカー孔内に挿入すると共に該アンカー孔内に固結材を注入し、該固結材の硬化後に前記緊張鋼材を所定の緊張力で順次緊張したことを特徴とするアースアンカー工法。

発明の詳細な説明

(産業上の利用分野)

本発明は土木、建築の根切り工事における土留壁のくずれ防止、擁璧の転倒防止、ドツク床版の浮力防止、橋脚の転倒防止及び斜面安定等に使用されるアースアンカー工法に関するものである。

(従来の技術)

従来のアースアンカー工法は、第9図に示す如く、アースアンカー孔内Aに先端部がシースから突出した緊張綱材C´を挿入するとともに固結材B´を注入し、該固結材B´の養生後に緊張鋼材C´を所定の緊張力で緊張して定着するものであつた。

このアースアンカー工法はアンカー体抵抗(引抜剪断抵抗)の設計値をaに示すようなアンカー体全長に対して平均化した値で計算し、その設計値に基づいて緊張鋼材C´に所定の緊張力を付与して定着していた。

(発明が解決しようとする問題点)

しかしながら、上記の定着方法ではアンカー体に緊張力(引抜力)が加えられたときの応力分布は第9図に示すように手前側に集中して前記アンカー体抵抗の設計値を超過する分布となる。

そのため時間の経過に伴う緊張力及びアンカー体のクリーブや伸び等によりアンカー体手前側の地面が破壊され、かつこの破壊が順次先端側に移行するいわゆる先行破壊がおきてアンカー体がアンカー孔から抜けてしまうという問題があった。

以上の問題を解決するための本発明の目的は、アースアンカーを定着する際、アンカー体に緊張力が加えられたときに発生する地盤との剪断抵抗が、対象地盤のアンカー体抵抗の設計値に対応してアンカー体全長にわたつて平均化してかかるようにすることである。

(問題点を解決するための手段)

以上の問題点を解決するための本発明の要旨は、掛止溝を放射状に備え、かつ支持体の上下部に設けた上部及び下部掛止板と、該下部掛止板の下面に突設されて緊張鋼材が掛け回される湾曲体とによりなる支圧具に、Uターンさせて巻き掛けた長さの異なる緊張鋼材を、前記支圧具が互いに異なる箇所に位置するようにアンカー孔内に挿入すると共に該アンカー孔内に固結材を注入し、該固結材の硬化後に前記緊張鋼材を所定の緊張力で順次緊張したことを特徴とすることに存する。

(作用)

而して上記構成によると、本発明のアースアンカー工法は、アンカー体に長さの夫々異なる3本の緊張鋼材を取り付ける場合、最初に一番伸びの大きい最長の第1緊張鋼材を、次に長い第2緊張鋼材との伸びの差分だけ緊張する。

そして、この第1緊張鋼材が第2緊張鋼材との伸びの差分だけ緊張された時点で、第2緊張鋼材の緊張を開始して第1緊張鋼材と共に緊張する。

次に、この第2緊張鋼材が最短の第3緊張鋼材との伸びの差分だけ緊張された時点で第3緊張鋼材の緊張を開始して前記第1、第2緊張鋼材と共に緊張し、これらの緊張鋼材を所定の緊張力に達するまで緊張することにより、アンカー体と地盤との間に生じるせん断抵抗を、対象地盤のアンカー体抵抗の設計値に対応させてアンカー体全長にわたつて平均化してかけることができる。

(実施例)

以下、本発明の一実施例を図面により説明する。

本発明のアースアンカー工法は、所定の径及び長さのアンカー孔Aに、先端側に支圧具2を備えた長さの異なる緊張鋼材1が夫々支圧具2の位置をずらした状態で挿入されると共に、前記アンカー孔A内に固結材Bが注入され、該固結材Bの養生後これら緊張鋼材1を長い順から所定の緊張力で緊張する。

緊張鋼材1はPC鋼線がポリエチレンシース3にグリースを介して摺動自在に挿入された従来周知のものであり、鉄筋ベンダー又は油圧ベンダーにより中央部でU字状に折り曲げられ、その折り曲げ部1aに支圧具2が取り付けられている。

該支圧具2は支持体4の上下両端部に設けられた上部掛止板5及び下部掛止板5’と、該下部掛止板5’の下面に取り付けられた湾曲体6とにより形成され、前記緊張鋼材1がUターン像に掛け回されている。

上部及び下部掛止板5、5’の周縁には掛止溝8が対向状に設けられ、該掛止溝8に前記U字状に折り曲げられた緊張鋼材1が掛け止めされ、テ-プやワイヤー等の定着具用で前記支圧具2に固着されている。

掛止溝8は緊張鋼材1全体が完全に収容される大きさに形成され、上下掛止板5、5’とも同じ個所に形成されている。

湾曲体6は緊張鋼材1先端の折り曲げ部1aが嵌め合わされるものであり、下部掛止板5’の中央部に突設されている。

上記のように緊張鋼材1は長い順から第1緊張鋼材20、第2緊張鋼材30、第3緊張鋼材40の3本の粗立形成され、第1支圧具20aにUターン状に掛け回された第1緊張鋼材20が第2支圧具30a及び第3支圧具40aの掛止溝8に、また第2支圧具20aにUターン状に掛け回された第2緊張鋼材20が第3支圧具40aの掛止溝8にそれぞれ嵌合されてテープやワイヤー等の定着具mで結束されることにより組み立てられている。

また固結材Bはセメントペースト、モルタル及びコンクリート等を使用する。

この場合第1、第2、第3緊張鋼材20、30、40を夫々見分けるため手前側に色の異なるビニールテープを巻き付けておき、緊張する順番をまちがえないようにする。

また以上のように各緊張鋼材20、30、40を夫々Uターン状に掛け回すことにより、これらを引き抜く際に容易に引く抜くことができるので除去アンカーとしても使用し得る。

そして長さの異なる緊張鋼材1を支圧具2の位置をずらした状態、すなわち深さを違えてアンカー孔A内に挿入すると共に、その中にセメントペースト、モルタル及びコンクリート等の固結材Bを注入し、この固結材Bの硬化後に緊張鋼材1を緊張する。

この緊張は、緊張開始前に第1、第2、第3緊張鋼材20、30、40の伸びをそれぞれ算定しておき各緊張鋼材20、30、40の伸びの差分を緊張してから順次各緊張鋼材20、30、40を緊張するものとする。

すなわち、最初に一番伸びの大きい第1緊張鋼材20を、ジャツキの引張用ヘツドで挟着して第2緊張鋼材30との伸びの差分だけ緊張する。この際、第2及び第3緊張鋼材30、40は引張用ヘツドで挟着されていない状態である。

そして、この第1緊張鋼材20が第2緊張鋼材30との伸びの差分だけ緊張されて、第2緊張鋼材30との伸びの差がなくなつた時点で、第2緊張鋼材30を前記引張用ヘツドで挟着して緊張を開始し、前記第1緊張鋼材20と共に緊張する。

また、上記第1緊張鋼材20と第2緊張鋼材30の伸びの差がなくなつた時点はジャツキの緊張ロツドのストロークにより確認するものとする。

すなわち、第1緊張鋼材20を緊張して、予め設定した第2緊張鋼材30との伸びの差分、緊張ロツドのストロークが伸びた時点で第2緊張鋼材30との伸びの差がなくなつたことを確認するものである。

また、これは予め設定された所定の緊張荷重によつても確認することができる。

次に、この第2緊張鋼材30が第3緊張鋼材40との伸びの差分だけ緊張されて、第3緊張鋼材40との伸びの差がなくなつた時点で、第3緊張鋼材40を前記引張用ヘツドで挟着して緊張を開始するとともに、これらの緊張鋼材20、30、40を所定の緊張力に達するまで緊張した後、アンカーヘツドで定着するものである。

なお、第2緊張鋼材30と第3緊張鋼材40との伸びの差がなくなつた時点は前記と同様の方法により確認するものとする。

そして、これら第1、第2、第3緊張鋼材20、30、40が緊張定着された後に、これらを同時に所定の緊張力により緊張することにより、これらの緊張鋼材20、30、40の合計緊張力を確認することができる。

第7図は上部及び下部掛止板5、5’に4対の掛止溝8を設けた場合を示すものであり、この場合は4本の緊張鋼材1を組立形成することができる。

また、第8図はアースアンカー工法の他の実施例を示すものである。

これはストランドの先端をシースから突出させて支圧部2’が形成された長さの異なる第1、第2、第3緊張鋼材20’、30’、40’を形成するとともに、これらを支圧部2’が互いに異なる箇所に位置するようにセメントペーストB'内に挿入してアンカー体Dを形成し、前記と同様に長い緊張鋼材から順に所定の緊張力により緊張し、然る後、これらを同時に所定の緊張力で緊張して固着するものである。

(発明の効果)

本発明は以上のような構成にしたことにより下記の効果を有する。

<1> アンカー体と地盤との間に生じるせん断抵抗を、対象地盤のアンカー体抵抗の設計値に対応させてアンカー体全長にわたつて平均化してかけることができるので、アンカー体のひび割れが防止でき、さらに軟弱地盤においてもアースアンカーの抜けを防止することができる。

<2>支圧具は、掛止溝を放射状に備え、かつ支持体の上下部に設けた上部及び下部掛止板と、該下部掛止板の下面に突設されて緊張鋼材が掛け回される湾曲体とから形成されたことにより、前記掛止溝に緊張鋼材を嵌合できるので、同径の支圧具を同芯状にして多数アンカー孔内に挿入することができる。

<3> 緊張鋼材で順次緊張することにより、一つの緊張ジャツキで全ての緊張鋼材を緊張することができる。

図面の簡単な説明

第1図は本発明のアースアンカー工法を示す断面図、第2図は支圧具に緊張鋼材をUターン状に掛け回した状態の斜視図、第3図は支圧具の拡大正面図、第4図は第1支圧具の底面図、第5図は第2支圧具の底面図、第6図は第3支圧具の底面図、第7図は支圧具の他の実施例を示す底面図、第8図はアースアンカー工法の他の実施例を示す断面図、第9図は従来のアースアンカー工法を示す断面図である。

尚、図中、A:アンカー孔、B:固結材、1:緊張鋼材を夫々示す。

<省略>

<省略>

<省略>

手続補正書(特許法第64条の規定による補正)

平成6年11月18日

特許庁長官 殿

1.事件の表示

昭和62年特許願第155514号

(平成5年特許出願公告第30932号)

2.発明の名称

アースアンカー工法

3.補正をする者

事件との関係 特許出願人

住所 東京都調布市若葉町1-36-7

名称 黒沢建設株式会社

代表者 黒沢亮平

4.代理人

〒105

住所 東京都港区虎ノ門1丁目2番29号虎ノ門産業ビル6階

氏名 (6317)弁理士 佐々木功

5.補正指令の日付

自発補正

6.補正の対象

(1).明細書中の発明の詳細な説明の欄、

(2).図面の簡単な説明の欄、及び

(3).図面

7.補正の内容

(1).本願明細書(平成4年10月1日提出の全文訂正明細書)中、第2頁、第1行目(公告公報第1頁、第1欄、第19行)の「第9図」を『第8図』と訂正する。

(2).同書中、同頁、第13~14行目(公告公報第1頁、第2欄、第7行)の「第9図」を『第8図』と訂正する。

(3).同書中、第9頁、第12目から第10頁、第2行目(公告公報第3頁、第5欄、第35行目から第6欄、第7行)までの「また、第8図はアースアンカー工法の……固着するものである、」を削除する。

(4).同書中、第11頁、第7~8行目(公告公報第3頁、第6欄、第34~35行)の「第8図はアースアンカー工法の他の実施例を示す断面図、」を削除する。

(5).同書中、第11頁、第8~9行目(公告公報第3頁、第6欄、第35行)の「第9図」を『第8図』と訂正する。

(6).図面中、第8図を削除する。

(7).図面中、「第9図」を『第8図』と訂正する。

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